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2009/07/29 (Wed) No.11 花火、散ル


-断片集-
No.11 花火、散ル

みんな、上を向いて目を輝かせている。
紺色をひたすらに流したような、のっぺりとした空。
彩られるのを待ちきれないのか、ほのかな光の点がその身を揺らしている。

もうすぐかな。
君は僕にそっとつぶやいた。独り言だったかもしれない。

そうだね。
それでも、僕はそっと返した。

ちゃんと認めていたかった。君の姿を。
この穏やかな喧噪の中、君だけが離れていくのが怖かったから。

それぞれ期待にもたれながら待つ人たちは、なにを思っているのだろう。

一際騒がしくなってきた。

もうすぐだね。
君の声色が少し明るくなった。

そうだね。
僕もそれに合わせて、微妙な違いだけれど、少し明るく返した。

君がふっと息を空に放つ音が耳をくすぐった瞬間。

ヒュウゥルゥウウ。

光の線が、昇った。

ドォオォオン。

光の粒が、散った。

きれいだなぁ。
君はうっとりと言った。独り言だった。

そうだね。
それでも僕は返した。

ちゃんとここにいてほしかった。
この賑やかな空間に、想いを繋ぎとめていたかった。

とても、鮮やかだった。
紺を染める光の粒も、あちこちで生まれる歓声も、君の儚い笑みも。

次々にはじける淡い一瞬。

すぐに消えていってしまうようだけれど、ずっとこころには残るんだ。
僕の胸を暖めるこの想いを色に例えるならば、まさに今僕たちの瞳が映しているこの景色だ。
色褪せることなど、ない。
ないんだよ。


はっとする。
僕と君とを繋いでいるはずの手に、力を込めすぎていた。
焦って力を緩める。
そこで気付いたんだ。
爪が、自分の掌に食い込んでいた。


ヒュゥゥウルゥ。
光の線が、昇った。

ドォォォオン。
光の粒が、散った。

きれいだね。
僕は、そっと言った。

独り言だった。




読んでいただいてありがとうございます。
切なく綴ってみました。
まだ今年は花火見ていないのですが、唐突に書きたくなって、こんなものが出来上がりました。
やたらと構想が広がって、自分の中では細かい設定も決まってます。

雑なように見えるかもしれませんが、これが一番自分の書き方だと思いました。
無理にひねり出そうとせず、つらつらと。

次はもう少し明るい話が書けるようにしたいと思います。

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comment











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めちゃいいねぇ☆

切なーーーい感じが特にe-259
俺もなんか書こうかなぁー

でも不調だしぃー・・・

2009/07/29 18:23 | ゆうと [ 編集 ]


 

良い感じですね!

爽やかです!!
ちょっぴり切ない、でも仲直りしたんだな~っていう感じがすごくいいです!!青春ですねb

花火の描写、リアルでいいです!

あと、前の脳についてのお話、あれプライミング効果でした。申し訳ないm(_ _;)m

心理専攻されるんでしたら、レポートで良い点取ったやつあるので来年必要になった場合にもしよければメッセにて図抜きになるけど送ります!

というか、何やらすでにご存じな気がする。
黒目さんの方が、すごく良いレポート書けそうで気が引けてなりませんが・・・(苦笑)

2009/07/29 21:19 | ツーヨン [ 編集 ]


 

お久

やっぱりお前にはビックリするわ
関心つか感服つか尊敬つか
俺が欲しいスキルいっぱいもってんだからな
俺の方はたまんねぇよ
読むこと好きだし
書くことも好きだけど…苦手だ

俺のはいつも一人称
誰かが誰かに言ってるようなことも
結局自分から自分への言葉でしかない
嫌な螺旋だな
しかもどんどん下向かってね?


ストーリーじゃなくて
そのときのモチベーションで書いた
ただ思った事書いてるだけの
無意味な文字列


だから
ストーリー考えれるやつは凄いと思うし
それを表現できるやつは羨ましいし
読んだやつに自分の想いつたえられるやつは尊敬する



想ってること文で表現できるって楽しいだろうな
だで俺も
この螺旋を矛盾させて
自分が皆が感じられる文書きたいなって思った

2009/07/29 22:43 | DUMMY [ 編集 ]


 

>ゆうと
感想ありがとー!!
切なさは結構上手く表現できたb
書きたいことあっても、いざ書くとなると無理っていう場合は、とにかく脳内でアイディアだしまくるといいかも。
一つを作ろうとするんじゃなくて、いろいろ考えて、その中のどれかを衝動的に書きたくなるまで待つ。笑

まあ、何より楽しまなきゃだね。

2009/07/29 22:54 | 黒目 [ 編集 ]


 

>ツーヨンさん
感想ありがとうございます!

このショートショートの設定はいろいろ考えたのですが、一番自分が思い浮かべているのは、結構悲しいものでして。

勿論様々な解釈の仕方ができるように、最小限の表現で綴っているのですが、一応自分の妄想設定では、この二人は離れ離れなんです・・・

最後の手の部分では、始めから「僕」の隣には「君」がいなかったということを表現したくて。
過去の想い出を反芻しながら「僕」は花火を見上げて、一人だと気付いて最後に、喪失感を認識しながら独り言をつぶやく。

という感じで。  ちょっと無理がある・・・

むしろ仲直りしたっていうほうがしっくりするかもですね。笑

>心理専攻されるんでしたら、レポートで良い点取ったやつあるので来年必要になった場合にもしよければメッセにて図抜きになるけど送ります!

おぉ!ありがとうございます!
まだまだ専攻など決定したわけではありませんが、無事志望した勉強ができるようになったのなら、是非ともお願いしたいです!

>黒目さんの方が、すごく良いレポート書けそうで気が引けてなりませんが・・・(苦笑)

いやいやっ。それはないですよ!
自分はまだまだ未熟者なので。
いろんなことから可能な限り学んでいって、少しでも成長できるように頑張っていきますよー!

2009/07/29 23:09 | 黒目 [ 編集 ]


 

>DUMMY
おお!こっちでは久しぶり!よくぞ来てくれた!

関心、感服とか、そんなこと言ってもらえるとは・・・
認めてもらえて素直に嬉しい。

けど、DUMMYの文章能力は俺よりはるかに優れていると思うのだが。

>俺のはいつも一人称
>誰かが誰かに言ってるようなことも
>結局自分から自分への言葉でしかない

いつもDUMMYの書く文章を見るけど、本当に範囲を絞って書かれてる。
その中で、自分の中身をさらけ出すというか、ひたすらに自分で自分自身を探求しているような。
そんな文面が、いかにもDUMMYの人間臭さを表現していて、否応にも「共感」のような感情へと引きこんでいくんだよ。
それは全然悪いことではないし、むしろ一番読み手のこころを奮わせる能力に長けていると思うんだ。

時々過激なことも言うけど、それは全部DUMMYの大切にしているものへの溢れる愛情によるし、俺の知ってる人はいないけど、みんなそれを理解して読んでるはず。

文で表現するのはストーリーだけじゃないよな。
そのときのモチベーションを源に書いたのなら、自分の意見はしっかりと表現できるし、それに説得力があるのだから充分すぎるくらい人にも自分にも伝わってるだろう。

勝手なことばっか言って悪いけど、俺が今まで知り合った中で、DUMMYほど俺に影響を与えた友達はいないんだ。
本当に勝手なこと言って悪いけど。笑

なんか書いてて自分で意味わからんくなってきたが、とにかくDUMMYの文章力に俺は尊敬と羨望を抱いているということです。

いっつも見るだけでコメントしないのに、だらだらと勝手なこと書いて申し訳ない。
ちょっと自分の陣地で好きなように書いてしまった。

コメ欄に載せるようなことでもないな・・・
気にくわんかったら悪い。
でも、なんとなく言っときたくて。

DUMMY、これからもよろしくな。

2009/07/29 23:38 | 黒目 [ 編集 ]


 

こんばんは。
コメントや拍手をありがとうございます。
黒目様の小説をいくつか読ませていただきました。
どの話も、さくさくと展開されていて大変楽しく読むことができました。

花火、散ルというお話、勝手な解釈をしてしまいました。
最後は彼女を繋ぎ止めようとしていたのに、花火と自分の考えに意識が移り、
繋いでいた手が緩まって彼女に手を抜かれてしまったのでしょうか。
もしかしてこの子は自分や周りのことばかりを見てしまっていて、
あまり彼女に対してきちんと思いを伝えていなかったのかな。と

そんなことを考えながら黒目様のコメントを拝見しまして撃沈。
すいません、読解力の無さには自信があります。
しかしながら、とにかく切ない気持ちになる良い小説だと思います。

2009/07/29 23:47 | あなない [ 編集 ]


 

>あなないさん
読んでいただいてありがとうございます!
少しでも楽しんでいただけたのなら嬉しい限りです。

今回の『花火、散ル』ですが、特別こういう設定!っていうものはないと考えていいと思ってます。
本当にまっさらな気分からサラサラと出てきた文章なので。
ただ、そのとき自分が漠然と思い描いていた情景が映りこんでいただけで、自分の妄想設定はほぼ後付けです。

なので、あなないさんの解釈もこの作品の一部であると思ってます。
いろいろな視点からの意見を聞くことができるのは本当に喜ばしいことなので、思ったことを言ってくださるのはとてもありがたいです。

自分の中にこれを伝えたいという芯がしっかりとある場合は、できるだけ同じ視点で共感してくれるように書ければと思います。

あなないさん、訪問とコメント、ありがとうございました!
是非またお暇があったらいらしてくださいねー

2009/07/30 01:12 | 黒目 [ 編集 ]


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