--/--/-- (--) スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

スポンサー広告 |


2009/12/30 (Wed) No.16 冬風の君

-断片集-
No.16 冬風の君

寝ぼけたままの私の頬を、ひんやりとした風が撫でる。

とても、細い。

目を閉じたままの暗い世界では、想像力がよく働いて、蛇のようなひょろひょろと動きまわる風の姿が浮かび上がった。

すきま風だ。

ぴったりと閉めきったはずの窓を小馬鹿にしながら、優雅にその身を揺らす。

オハヨウ。オハヨウ。

語りかけるように、くねりくねりと頬を刺激する。

少しでも何かが変われば、気付けなくなる存在。

私は、ぴくりとも動かずにふれあっていた。

声をかけてあげたい。

友達になりませんか?

イイヨ。イイヨ。

きっとこうやって返してくれる。

けれど、私が一度口を開けようものなら、さらりといなくなってしまうに違いない。

それならば、無言の交流を続けよう。

カラカラっと渇いた音がして、大きな風が身体全体を襲った。

突然の出来事に加え、あまりの冷たさに、毛という毛が全て逆立ってしまう。

細い風の君は何処かへと消えてしまった。

不機嫌さを隠しもしない鳴き声をあげながら、隣にいる女の子を睨んだ。

あ、ごめんね。びっくりさせちゃった?

申し訳なさそうにしながら、私の顔を撫でた。

柔らかいその手は暖かくて気持ちが良い。

ねぇ。寒いかもしれないけれど、思いっきり深呼吸すると、すごく気持ちがいいんだよ。

そう言って、私の身体を両手で優しく持ち上げる。

開け放たれた窓と同じ高さに視点が到達したとき、私は軽く跳んだ。

窓の前に着地すると、先程よりも遥かに沢山の風が身体にぶつかってきた。

寒いを通り越して、ひどく痛い。

それでも、言われたとおりにすうっと息を吸った。

身体の内側に、冷たい空気が流れ込んでくるのがよく分かる。

通り抜ける過程で、ほどよい温度へと変わっていき、終着点でしゅわっと融けた。

確かに気持ちがいい。

機嫌を良くした私を見て、また私の顔を撫でる女の子。

暖かい手と冷たい風が交互に流れて、うっとりとしてしまう。

しばらくした後、一際強い風が耳の先をかすめて、私ははっとした。

細い風の君。

つい先程までうっとりと楽しんでいた自分を少し恥ずかしく思いながら、外をみつめた。

もう会えないのだろうか。

今度は悲しそうな顔をした私をみて、不安げな女の子。

わがままでごめんね。

心配をかけないように、とびきりの笑顔を向けてあげた。

そのとき、沢山の風の中から、不自然に細い風が顔をくすぐった。

マタネ。マタネ。

私はそれに特別応えることもないまま、女の子の腕にとびこんだ。

片腕に抱かれた状態で、閉じていく窓をみつめる。

流れてくる風はだんだんと勢いを弱めていって、ぴしゃりと窓が閉じたころにはほとんど感じられなくなった。

けれど、細い風は、閉められたばかりの窓も小馬鹿にしながら、ひょろひょろと姿を現した。

オハヨウ。オハヨウ。

頬をくすぐる。

私は頬を掻いた。

一瞬のふれあいが生じた後。

風は消えていった。



今朝、携帯のアラームで起きた後、ツールのメモ帳にそのままベッドに潜りながら書いたものです。笑
すきま風寒い。寒いけどなんか心地良い。

一応黒目のイメージでは、作中の私=猫。
最近犬派から猫派になってきている。


大部分がよく分からない成分で構成されてますが、なんとなく風を感じていただければ。
スポンサーサイト

断片集 | trackback(0) | comment(4) |


<<霊長類なめんな | TOP | もうすぐですね>>

comment











管理人のみ閲覧OK


 

お久しぶりです^^
風を使った話、新鮮でした。
特に「蛇のようなひょろひょろと動きまわる風」この表現すごく気に入りました!メモしちゃいましたよ!!
風、喜怒哀楽が激しそうですねw

よいお年を!!おじゃましました。

2009/12/30 23:26 | ホチ [ 編集 ]


 

>ホチさん
感想ありがとうございますー!

風の方はちょっと飄飄というか、掴み辛い感じに書いてみたんですけど、ちょっと難しかったです。
あくまで猫ちゃんの身勝手さと変わった視点から書いてみた作品です。笑

それでは、今年もよろしくおねがいします!

2010/01/19 17:47 | 黒目 [ 編集 ]


 

はじめ読んだときに、「わたし」の視点が低い場所からの感じだったり身軽そうだったので不思議な感じがしました。

あとがきでそれが猫だったとわかり、そのわかるまでのギャップが面白かったです!

あぁ、なるほど、だからか~ってなりました。

風の心地よさやまとわりついてくる感じも綺麗に表現されていて、隙間風がこういう風に受け止められると苦にならないと感じました。

2010/03/07 22:22 | ツーヨン [ 編集 ]


 

>ツーヨンさん
猫ちゃん飼ったことがないので、仕草とか完璧イメージなのですが、こちらの考えていたことが上手く伝わった感じがして嬉しいです!
ホントに書きながら思いつきで進んでいるので、自分でも実体が掴めないことが多々あるこのカテゴリ・・・
いろいろと解釈していただけたらなと、かなり投げやりな作者でありますw

隙間風、なんか好きなんですよね。
ほそーいのに、そこだけ温度がちょっと違って存在感があるような。
不思議な感じです。

2010/03/07 23:33 | 黒目 [ 編集 ]


trackback

trackback_url
http://black6i1.blog24.fc2.com/tb.php/104-899066b1

| TOP |

プロフィール

黒目

Author:黒目

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QRコード

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。