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2011/02/12 (Sat) No.24 アンテナ、三本

-断片集-
No.24 アンテナ、三本

教室の隅。机と睨めっこする僕。

誰とも交わらず。交われず。

ここだけ違う空気が流れているような、まるで異空間。

教室の中、そんな異空間はちらちらと存在する。

他の人と少しだけ擦り合う能力が低い、「独り」の人々。

それぞれが、独自の電波を飛ばす。

隠さず。隠せず。

その周波数がわりかし近いと、異空間同士が混じり合って、奇異であるけれど一応のコミュニティが生まれる。

そんな「仲間」にも巡り会えていない、異空間たち。

僕は、気付いたときには独りだった。

何かしでかした訳でもないのに、なぜか。

流れに乗らない。乗れない。

幼いときからそうだった。しかし、そんな人はいくらでもいる。それでも上手くやっている人も。

僕は独り。なぜか独り。

けれど。

目を閉じると、感じる。

電波。

じりじりと僕に訴えかけてくる電波。

発信元は分かる。

ちょうど僕から対角の、教室の入口に位置している、女子。

ドアが開く度、人が出入りする度、少しの驚きと共に身体を跳ねさせる彼女。

過ぎ去って行く人々は彼女に一瞥もくれないというのに、彼女はとても意識している。

そんな女子が、いつからか僕に電波を送っている。

「私と一緒でしょう?」

「いつのまにか独り」

「ほら、そっくりじゃない」

僕は気付いているよ。とうの昔に。

それでも、僕は無視をする。

それぞれの異空間から発せられる電波の周波数は、近すぎては駄目なんだ。

強すぎる電波が、法に触れるように。

僕と彼女は、近づいてはならない。

ふと見ると目が合った。

すぐに目を逸らす。

視線は窓の外に捨てる。

独りでいい。独りでなくては。

この教室を乱す訳にはいけない。

僕と彼女は、近づいてはいけないのだ。



ほぼひと月ぶりです。リアルではテスト期間真っ最中で、中々更新できませんでした・・・
今回の短編は、倉庫から引っ張り出してきたものです。ぶつ切り文すぎてあまり満足のいく出来ではありません。

以前放送委員の方と話す機会があって、「強すぎる電波は法に触れるので、大学祭の宣伝ラジオは学内までしか…」ということを聞いて、ふと思い付きで書いた作品です。
人との関係の間に「周波数」という言葉を使うこともありますし、中々面白いなと。
設定案として掲載させていただきました。

それでは。

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