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2009/09/29 (Tue) No.14 月明かりのリリィ①

途中書きだったものを、根本的なところの設定を変えて始めてみました。
大分ザックリとしたものです。
「断片集」としてひとまず終えれたら、少し長くして書き直したいと思ってる物語です。



-断片集-
No.14 月明かりのリリィ①

夜空の中。
異様なほどに光り、存在を主張する月。
その下、町の中で、短い悲鳴が上がった。

一瞬の出来事。

それは、異形の存在が闊歩していた世の中では、さほど珍しいわけではない。

散り逝く女。
最期につぶやいた名前は、ひどく愛おしかったという。




くすぐったい。
ざらざらしているような、あまり味わったことのない感触が、おれの頬の上を往復する。
おれはまだ眠りの中に留まっていたくて、身体を捻って避けようとするが、ざらざらは追いかけるように動く。
何度も繰り返される感触が、おれを段々と在るべき世界へと引き連れていく。

「ぐ・・・うぅ・・・。」

鈍い呻きが喉を揺らした。
意識が脳の中に入ってきて、瞼がひとりでに開いていく。
背中と首に伝わる柔らかい、包むような感覚。
眠気を誘発する環境に抵抗しながら、体を少し起こす。

おれは、ベッドの上に寝かされていた。
近くでは暖炉に木がくべられ、暖かい空気を漂わせている。
それほど大きな部屋ではないが、壁に掛けられた数点の絵画や、おれを照らす少し控えめなシャンデリアに、この家が裕福な者の住処だとうかがえる。
不思議と気分の落ち着く夜の森の絵から目を離し、右手の方へと視線を移す。

灰色に染まった、雪を連想するような長い髪が、灯の淡い光に映えている。
そこには、洒落たイスに幼い少女が座っており、膝の上では小さな犬が尻尾を振っていた。

こいつが、おれの頬を舐めていたのか。
少女はというと、犬を軽く腕で包んだまま、静かな寝息をたてている。
なんとも微笑ましい、絵になる様子だが、明らかに目に付く部分が。
少女の目の部分を覆い隠すように、包帯がぐるぐるに巻かれている。

月明かり、だろうか。

「スー。・・・スー・・・。」

少女は、規則正しく寝息を並べ、起きる様子は全くない。

どういった経緯で、おれはここで寝ているのかは理解できなかったが、何か悪いことをされたわけでもないようだ。

目覚めたことを報告しようと、少女を起こそうとしたが、すぐに止める。
触れてはいけない気がした。
可憐で、小さい、ガラス細工のような少女。
見つめるだけで、ピシッとひびが入ってしまうのではないだろうか。

そんなことも思ったが、もっと、おれがこの娘に近付いていけないような理由があるような気がした。

出来るだけ音をたてないように、ベッドを抜ける。
頭をこくこくと揺らす少女の横を通り、扉に手をかける。
キィッと古びた木の軋む音と共に、とてつもなく長い廊下が視界に入ってきた。
先ほど裕福な者の家だと感じたが、これは家ではない、巨大な屋敷だ。
暗闇の中、あまり灯がないのもあって、終わりである突き当たりが見えない。

「・・・すごいな。」

呆然とする内に、勝手に感嘆の言葉が洩れた。

とりあえず誰か屋敷の者を捜そう。
礼だけを速やかに伝えて、この屋敷から去ろう。

約束があった。
何かを買い与えてやるという約束。
とても大事なことなのだけれど、上手く思い出せない。
頭がぼんやりしているからだろうか。

とにかく、今は誰かを探さないと。

そう思って歩き出そうとした瞬間、足元に気配を感じる。
今出てきた部屋の扉の横には灯りがあったので、暗闇の中でもそれがなんなのかハッキリと分かった。
とてとてと、おれの周りを歩いているのは、おれの頬を舐めていた犬だった。
おれを好いてくれているのか。

「おまえも一緒に来てくれるか、犬。」

答えるように少し跳ねた様子が可愛らしく、笑みがこぼれた。


少しずつ廊下を進む。
おれが寝かされていたのと同じくらいの大きさの部屋がいくつもあるようだ。

ただ、どの部屋からも気配は感じられず、異様な印象を受ける。
あまりの広さとあまりの静けさに、言い様のない不気味な感覚が足元から登ってきた。

なんなのだ、この屋敷は。

不審に思いながらも、暗闇の中を進んでいると、横を歩いていた犬が突然走り出した。

「おい、まて。」

咄嗟に声をかけたが、お構いなしに犬は走っていく。
暗闇の向こうにまぎれるギリギリの範囲に姿を認めつつ、おれは犬を追い駆ける。

はっ。はっ。はっ。は。

喉が痛いくらいに渇いている。
息もすぐに上がり、肩が浮いてしまっている。
急に動いたからだろうか。
頭もひどく痛む。
視界は霞がかかって揺れてばかりいる。

限界がすぐそこまで来たとき、犬がサッと角を曲がった。
続いておれも息を吐きながら角を曲がる。
瞬間、目の前に暗闇よりも暗い黒が広がる。
気付いたときにはおれはそれにぶつかっていて、目の前の黒と一緒に倒れこんでしまった。

「いててて・・・」

情けない声をあげながら、前に目をやる。
そこには、漆黒のドレスに身を包んだ女が尻餅をついている姿があった。
手には洒落たランプがしっかりと握り締められていて、その光が下から女の姿を照らして妙に艶かしい。

女の傍らでは先ほどの犬が嬉しそうに尻尾を振っている。
ハッハと息を吐き、餌をせがんでいるようにも見える。

「・・・・・・起きたのか。」

か細い、暗闇に吸い込まれそうな声が廊下に響いた。
少し経って、それが俺に向けてかけられた言葉だと気付く。

「あ、ああ。
 ・・・・・。
 あ。すまない、ぶつかってしまって。ケガはないか。」
 
そう言って手を差し出すと、無表情のままおれの手をとって体勢を整える女。
軽く手でドレスをはたき、汚れを落とそうとしている。
しかし、不思議なくらい廊下には塵一つなく、服が汚れている様子は全くなかった。

「食事の用意が出来た。リリィと一緒に食べよう。
 ついてこい。」

淡々と話す女。
リリィとは人名であろう。先ほどの少女の名であろうか。それともこの女の名だろうか。

不思議と身体は少し楽になっていた。
限界に近いことに変わりはないが、飯というのがそんなに嬉しかったのだろうか。

時折離れていきそうになる意識を懸命に繋ぎとめながら、細い背中を追い続けた。




これからなにかパーティーでも起こるのではないかと思うほど広い部屋。

その中心に置かれた、不必要としか思えない長さを誇るテーブルに、全員一角に集中して座っているという奇妙な構図。
おれは渡された、新品にしか見えないスーツに着られながら、緊張して座っていた。
目の前には、先ほどのドレスの女。
おれの隣では犬がイスの上で尻尾を振り回し、その向かい側では、少女が機嫌よさそうに鼻歌を奏でている。
テーブルの上には、大量の料理が並べられていた。。
それの殆んどが、肉であった。女2人と犬1匹では不釣合いすぎる組み合わせだ。
ここは男のおれをもてなしてくれているのだと、そう解釈しよう。

「いただきましょう。」

ドレスの女のか細い声が、耳をくすぐるように響く。

「いただきます!」「わん!」

それに合わせて、少女が続き、犬が短くほえる。
おれは一瞬戸惑ってしまって、少し遅れてしまった。

「い、いただきます。」

この食事の席に着くまでが体力的にやっとだったので、ほとんどまだ会話はしていない。
故に、彼女らがどういった人物なのかも分からない。
おれはこの後とてつもなくひどい目に合わされるのかもしれない。
こんなに恵まれた展開など、そうそう信用していいものではないから。

と、そこまで一通りの心配をしてみてから、食事を始める。
心の何処かでは、何故だかわからないが彼女らをすっかり信頼してしまっている。
以前どこかで知り合ったことでもあるのではないかというくらい。

肉に手を伸ばす。
食べやすい形に切る。
口に入れる。
咀嚼。咀嚼。咀嚼。
飲み込む。

「・・・おいしい。」

思わず口から出てしまった。

「でしょっ!ユリアの作る料理はなんでもすっごくおいしいんだよ!」

元気な声で、こちらへと話しかけてくる少女。
目は、包帯が覆ったまま。

「行儀はよくしないと。リリィ。」

ユリアと呼ばれた女性が、一切れの肉を少女へと食べさせようとしていた途中に、勢いよく乗り出したものだから、少し怒った様子で言う。

「一人でも食べられるよ。フォーク貸して。」

「また汚すだけ。大丈夫。世話はユリアがやる。」

ユリアはそう言って口元へと肉を持っていく。
なんとなく迫ってくるものを感じたのか、リリィは口をあーんと開ける。

口の中に入れば、結局は何も文句を言わず、おいしそうにもぐもぐと動かす様子は可愛らしい。

リリィは十歳といったところだろうか。
さらさらと揺れる銀と灰の髪は美しく、時折無性に愛しく感じる。

ユリアは背丈がおれと同じほどで、齢は二十ほどであると思われる。
口数が少なかったり、会話の中で自分を名前で表したりと、どことなく幼い印象も受ける。

二人を交互に眺めていると、リリィがまたこちらへ身を乗り出した。

「そういえば、お兄ちゃんの名前は?」

訊かれて、少し驚く。
目は塞がれているというのに、おれがそう年をくっていないことが分かるのか。
はっきりと話す彼女なので、お世辞とは考えにくい。
何か不自由していると、他の感覚が研ぎ澄まされたりするということだろうか。

一通り考えていると、自分で疑問に思うところがあった。
年齢。自分は、いくつくらいだったか。
いまだに頭がぼんやりとして、霞がかかっているような感じだ。

「おれは、キアラだ。キアラ。」

キアラ。
ずっと思い出せずにいたが、訊かれればすぐに口から出てくる。
疲れているだけかもしれない。

二人を伺うと、少し驚いた様子だ。
何かまずいことを口走ってしまったのかと、少し不安になる。

ほんの少し間をおいてから、リリィが明るく言った。

「キアラって、わたしのお母さんと同じ名前だよ!
 びっくりしちゃった。」

母親。
ユリアではないのか。
なんとなく二人の間に流れる空気は、親子より友人関係のものであったから薄々気付いていたが、ならば本当の母親は何処に。

「女性と同じというのは、少し複雑な感じだな。
 ・・・。その母親は、今何処に?」

訊かなくてもよいことであるのに、つい口に出してしまった。

「お花。」

「・・・え?」

ぼそりとリリィが言ったが、上手く聞き取れなかった。

「リリィに、お花を買ってきてくれるはずだったの。
 だけど、急に用事が出来て、帰ってこれないんだ。
 それまで、リリィは良い子にしてないと駄目なんだって。」

少し寂しそうに言って、最後はユリアに顔を向けて頬をぷくりと膨らませていた。




ちょっと荒い感じ(描写少なめ)で載せちゃってますが、これが一番ネタ帳として正しいのではないでしょうか。笑
ダーク成分多めになる予感。

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2009/09/26 (Sat) バトンー

ツーヨンさんからのものをずっと書けずにいたので、やってみました。
正直かなり適当なんで面白くないです。汗

暇な人ーーー!!のための100問ばとん♪バトン

Q1 やってくれてありがとー★ まずお名前をどうぞ。
A1 黒目です。よろしくー

Q2 本名?HN? HNの方は由来も教えてください。
A2 HN。ブログタイトルの由来は「断片集」の「エソラゴト」参照。笑
  黒目の由来はいずれ書きたいと思います。(たいしたことではありませんが。汗)

Q3 誕生日は?
A3 6月25日。今年はいっぱい祝ってもらって幸せでしたー

Q4 というと、星座はずばり
A4 かに座。キャンサー。癌?汗

Q5 血液型は?
A5 O型です。

Q6 あぁ。ぽいね。
A6 そうですか?Aっぽいらしいですが。
  
Q7 身長は?
A7 182くらい。牛乳最強ー

Q8 体重はリンゴいくつ分ですか
A8 リンゴ・・・だ・と・・・?

Q9 足のサイズをミリで教えなさい
A9 面倒くさい。身長の割には平均よりちょいデカくらい?

Q10 計算おつかれw
A10 放棄した黒目の勝ちb

Q11 いまの職業はなんですか。
A11 高3。受験生です。

Q12 どう?楽しい?やめたい?
A12 楽しい。いつもとは限らないが。

Q13 そうか。
A13 うん。

Q14 好きなものでもきいてこうかな
A14 ばっちきてくだされ。

Q15 好きな食べ物
A15 酢系以外ならなんでも好きですが、あえて挙げるなら鰻と鮭。

Q16 好きな色
A16 薄い灰。青。緑。

Q17 好きな動物
A17 犬。ハムスター。ブンチョウ。ウサギ。ポニー。

Q18 好きな作家
A18 恩田陸。
  『夜のピクニック』は、歩くだけのイベントの中に、これでもかというくらいに要素が詰め込まれていて、「小説家による演出」の最高傑作だと思う。
  短編集も、読み終わるまでジャンルすら分からないような多彩さで面白い。

  漫画家では、たなかのか、あだち充、星野桂、松井優征、遠藤達哉、ほったゆみ&小畑健 などなど。

Q19 好きな本
A19 特に好きな本は、夜のピクニック、ドミノ、海のはてまで連れてって などなど
  
  特に好きな漫画は、タビと道づれ、H2、クロスゲーム、Dグレ、ネウロ、バガボンド、TISTA、放課後ウインドオーケストラ、BECK

Q20 好きなアーティスト
A20 めちゃくちゃ雑食で、弾き語りバラードから、パンク、洋楽となんでも好きなので、最近固定で聴いているものを。
  奥華子、ポルノグラフィティ、凛として時雨、NEVERSTORE、Kylee 

Q21 好きな曲
A21 好きと言うか、衝撃だったのは、凛として時雨の「鮮やかな殺人」と「テレキャスターの真実」
  聴いてて飲み込まれそうになったのは初めてだった。時々大音量で聴きたくなる。
  
Q22 好きなテレビ番組
A22 あらびき団。ワンダー×ワンダー 後者はタイトル違うかも。めったに見ないけど、内容は毎回チェックしてる。

Q23 好きな…
A23 ん?

Q24 好きな人
A24 この流れなら芸能人?
  なら塚本高史、比嘉愛未。

Q25 言えよ
A25 上手く回避完了。

Q26 気を取り直して 好きな場所
A26 畳。落ち着く。高いところも好き。

Q27 ふーむ。じゃあつぎは嫌いシリーズいくべ
A27 へい。

Q28 嫌いな食べ物
A28 酢。甘党であり苦党ですが、酢はいかん。レモンは歓迎。

Q29 嫌いな色
A29 嫌いな色ってあるのか・・・?

Q30 嫌いな動物
A30 セミはある一件でちょっと嫌い。あとはやっぱ黒きGでしょう。

Q31 嫌いな場所
A31 屋内で広い場所。ライブとかで人いっぱいなら大好きなんだけど。

Q32 教えてくれてありがとう好きになれるといいね。
A32 うん。

Q33 じゃー恋についていっちゃおうかな★てへっ★
A33 さっきの好きな人って質問はなんだったんだ・・・

Q34 好きな人もしくは付き合ってる人はいます?
A34 付き合っていません。好きな人というか、仲良くやっていきたい人なら。

Q35 その人はどんなひと?いない人は、どんなひとがタイプ?(見た目)
A35 落ち着いているようだけど、可愛らしい仕草が多い。

Q36 (中身)
A36 ちょうどいい明るさを持った人。なんとなくふわふわしてる感じも。

Q37 好きな異性の髪型をどうぞ
A37 長い髪の方が好き。ポニーテールは反則じゃない?

Q38 あー。おー。いいね。
A38 ありがとう。

Q39 では好きな異性のファッションをどうぞ
A39 人によるでしょう。個性を大事にしてればなんでも。

Q40 ふむ。ではでは、あなたはSですかMですか?
A40 MM言われますが、「心が広い」だけだっ。
  というか、俺の周りが特殊なだけだよ、きっと。
  診断ではMばっかですが・・・

Q41 いやらしー
A41 フェッフェッフェー 笑

Q42 異性のどんなところにときめく?(見た目)
A42 うーんと、横顔とか?

Q43 (しぐさ、行動)
A43 笑ってるところ。何かに集中してるところも。

Q44 あっそういえば歳を教えてください
A44 18。

Q45 今更申し訳ございません。わたくしのミスです。
A45 うん。

Q46 あっそういえば都道府県をおしえてください
A46 愛知。愛知万歳。

Q47 ご当地自慢とかしたらどうなの
A47 味噌上手いじゃない。

Q48 おーいいところのようですね
A48 うん。

Q49 じゃあ今についてきくよーーーーーーーーうおおおお
A49 テンション笑

Q50 着ている服
A50 短ジーンズ。ゆるいタンクトップ。今日暑いよ。

Q51 聞こえる音
A51 PCの鼻息。

Q52 場所
A52 自室。

Q53 最後に飲んだもの
A53 カフェオレ。

Q54 最後に食べたもの
A54 唐揚げ。

Q55 最後に話した人
A55 弟。

Q56 最後に空を見たのはいつですか。
A56 今日の帰り。大抵ぽけーと見つめてる。

Q57 最後にいいたいことはなんですか。
A57 受験はやく終わらせたいです。

Q58 ってまだおわらんのよごめんね★
A58 うん、まあ、知ってた。

Q59 暇なときってさ、長いバトン欲しくなるもんね。ね。ねー。
A59 暇ではない、暇ではないのだが・・・

Q60 そんなわけで続行。髪型はどんな?
A60 短い。つんつんらしい。

何色?
A61 黒。混じりけの無い黒。

Q62 同性であこがれる人は誰ですか
A62 兄貴。

Q63 目指せそいつ!! ふぁいと★
A63 頑張る。

Q64 まだ半分ちょいか。手つかれてない?へいき?
A64 結構ヤバイ。

Q65 手をいたわりつつ答えてね。ここでお気に入りの格言をどうぞ
A65 命を重さで測ろうとしたことこそが、人の罪である。みたいな感じのこと。妙に納得した。

Q66 ・・・・・
A66 停・・・止?

Q67 ・・・・じーん
A67 ?

Q68 感動した!!!!!
A68 そうか。

Q69 おっぱっぴー。では続きまして。
A69 古いなー 好きだけど。

Q70 旅行にいくならどこ?
A70 フランス、イギリス、沖縄、北海道。

Q71 住むなら?
A71 どこでも。住んでから好きになるんじゃ?

Q72 田舎派?都会派?
A72 田舎。憧れまくってます。

Q73 あたしはちなみに都会にちかい静かなとこがいい
A73 そうか。

Q74 デートはどこにいきたい?
A74 近くにデカイ公園があるなら行きたい。後は映画。

Q75 付き合ってどれくらいしたら手つなぎたい?
A75 うーん、結構早めかな。

Q76 どれくらいでちゅーしたい?
A76 時間的な問題かい?状況による・・・

Q77 どれくらいで・・・・
A77 ・・・ごくり。

Q78 どれくらいで別れたい?
A78 別れたいって・・・。そんなこと考えないだろ。

Q79 ふざけてごめんなさい。
A79 許す。

Q80 好きな教科とかって
A80 国語、世界史、生物。

Q81 おほほう。文系?理系?
A81 文系しかありえない。

Q82 髪の痛みがきになるんだよ。
A82 知らないよ。

Q83 そうだ、今まで付き合った人数は?
A83 少ないですよ。

Q84 そうか。モテ期は三回くるらしいから
A84 期待してるよ。
 
Q85 ちなみにモテ期ってきたことあるかんじ?
A85 どこかに置いてきたんじゃない?

Q86 どうやったらモテルンデスカ
A86 知らん。

Q87 ほー。実践あるのみ
A87 そうか。

Q88 携帯はどこですか?
A88 家族全員ソフトバンク。

Q89 お気に入り?
A89 うん。

Q90 そっか。ってなんだかんだあと10問
A90 長かったなー

Q91 ちょっと…さみしいですか?
A91 正直あんまり。笑

Q92 あたしはちょっとだけさみしい。ちょっとだけよ~
A92 ちょっとだけよ~

Q93 長い道のりをありがとう。
A93 こちらこそ。

Q94 手はだいじょうぶか気になってねむれません
A94 なんかありがとう。

Q95 ZZZZZZ
A95 おいっ。

Q96 さいごに、さ・・・・
A96 無理するな、もう喋るんじゃない!

Q97 スリーサイズとか
A97 キュッ、キュッ、キュッ とか?笑

Q98 う、嘘です すいません。
A98 なんかすいません。

Q99 最後にひとこと、そしてこのバトンをまわしたいひとをどうぞ★
A99 読んだ人、気が向いたらやってみてー

Q100 ありがとね!!!元気でね!!!
A100 こちらこそありがと! いつかまたー


風呂入ってから後半で、かなり適当な感じに。
んでもバトン回されたら、これからはきちんとやりたいと思うので、じゃんじゃん寄越してやってください。笑

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2009/09/18 (Fri) No.13 お天気メーカー

こんなもん載せるなっていう作品ですが、「断片集」はそもそも黒目のネタ帳の予定だったんで勝手に変なものを載せたいと思います。
正直初めてここを訪問した人はこれは読まないで欲しい。
いくなら「ラルス・カヌス」か「連載小説」へ。笑




-断片集-
No.13 お天気メーカー

むぅ。
ネクタイというのは、いつになっても慣れない。
これでも二十年近く結び続けているというのに、時々後ろが長くなってしまう。
そんな自分の姿を鏡で目の当たりにすると、ひどく情けなく感じる。
近所の奥さんから、もうすぐ夏が来るからクールビズになりますねと言われた。
最初はどういうことかよく分からなかったが、それだとネクタイをしなくてもよいらしい。
なんて羨ましい。それだけで朝に十分間の余裕ができるじゃないか。

今度自分の所でも導入してみようか。

そんなことを考えながら、職場へ急ぐ。
満員の電車を経て、大きなビルへと至る。
真っ直ぐにエレベータへと向かう。
私が最上階を示すボタンを押すのを、乗り合わせた四人がちらちらと見る。

あまりそんな視線を投げかけないでくれ。
怪しい者ではない。私の職場はこちらにあるのだ。

四階で一人が降りて、六階で三人が降りた。
最後に降りていった長身の男は、なにやら目を細めながらこちらを振り返ったが、何も言わずに脇へと消えていった。

扉が閉まって、上昇を再開した。
くいっとネクタイを締め直す。
きちんと締めれているのかが不安で、すっかり癖になってしまっている。

があっと扉が開いた。
私はかつかつと愛用の革靴を鳴かせながら、廊下を黙々と進む。
誰も入ってくることのない、薄暗い通路。
しばらく歩くと、ひっそりと備え付けられた短い階段がある。
それを登った先にある、クリーム色の重い扉。
少し身を屈めて、肩を押し付けながらゆっくりと開いた。

視界が一気に広がる。
屋上だ。


ビルの地味な灰色と、すぐ上に広がる鮮やかな青が並んで映る。
下界と天界の境界線。
こんなに高いところから手を目一杯伸ばしても、下界からは届かない、天界。

顔を上へ向けて、灰色を視界から除く。
綺麗に浮かぶ真っ白な雲。邪魔されることなく元気に輝く太陽。

うん。いい感じだ。

顔を元に戻して、屋上の中心へと向かう。
本当は何もない平らな空間なのだろうが、私にとってはここが『入り口』だ。

何もないはずの空中へと、足をかける。
かつっと、音が響いた。
躊躇なく私はもう片方の足を上げる。
他の人から見れば(実際は視認することはできないのだけれど)宙に浮いている格好だ。

かつ。かつ。かつ。かつ。

私は空の中へと続く見えない階段を登る。
下へと目をやると、慌しい朝の都市が見えた。
とても愛おしく感じる。
少しばかりの優越感を伴っているのは失礼かもしれないけれど。

雲を突き抜け、灰色の世界から抜け出したところに、先程と同じクリーム色の扉。
全く同じ動作でそれを押し開け、中に入る。

「あ、室長。おはようございます。」

扉の隙間から、がやがやっとした喧噪が漏れてきたと思ったら、開けたすぐ前にいた女性が声をかけてきた。

「おはよう。もしかして、今から休みかい。」

「はい。昨日手違いで荒らしてしまったものですから、処理が大変で。」

「ははは。確かに結構な騒ぎになってしまっていたな。
 けれど、夜の方だからそう気にすることはないよ。
 天体観測を楽しみにしていた人たちには謝らなければいけないが。」

軽い流れで、笑いながら話す。

「室長のそういうところ好きですよ。
 気負いしなくてもいいと勘違いする新人には困ったものですけれど。」

そう返してきたので、一緒にはははと笑う。
談笑するほどの時間は無いので、おつかれと一言かけてやって、奥へと進む。
女性はこちら側に住んでいるので、扉の脇にあった階段でさらに上へと向かっていった。

おはようございます。室長。 
おはよう。

たくさんの人から声をかけられ、少々のコミュニケーションの後に奥へとまた進む。
机が並べられて、それらに腰掛けながら働く姿は、あちらとなんら変わりは無い。
ただ仕事の内容が若干、いや、かなり特殊なのだ。

がやがやとした喧噪が大きくなる。
私の仕事場。制作本部だ。

がしゃんという、何かを倒した音がして、短い悲鳴が響く。

「おい、なにやってるんだ。
 あぁ、青をこんなにぶちまけてしまって。室長に怒られるぞ。」

だんだんと出来つつある人垣を抜けて、音の元を覗く。
男性が派手に転んでいて、青の塗料が紙の上に撒かれている。
もう一人の、顎鬚をたくわえた男性が、転んでいる男性に向かってどなっているという構図。

「何かあったのか。」

そう言って身を乗り出すと、転んでいた男性が身体をがばっと起こして、目の前まで来て頭を下げた。

「す、すいません。青をこぼしてしまって。
 東京近辺が全部染まってしまいまして。」

視線をうろうろさせながら話す男性。
小刻みに何回もこちらへと頭を下げている。

ぺこぺこ。ぺこぺこ。ぺこり。

おいおい。そんなに慌てたらまたミスをしてしまう。
 
落ち着かせようと、ぽんと肩へと手を置いて、言う。

「構わない、仕事を続けて。
 天崎が最近サボり気味だからな。ちょうどいい機会だ。」

笑いながらそう言ってやると、男性はさらに深く頭を下げた。
一方で、顎鬚の男性は少し不愉快そうにふんと鳴らした。

「天崎、お前は腕は確かなんだから、もう少し協力的にしてやれ。
 面倒だからと最近は灰しか流してなかっただろう。あと三十分ある。青で仕上げなさい。」

顎鬚を手で撫でながら、嫌々ながらもへーいと返事をする天崎。
その様子を見てにこりと笑みをかけてやって、自分の席へ向かう。


どかっと座ると、すぐに横からコーヒーが差し出される。

「朝にコーヒーはお約束ですよね。」

そういいながらカップをこちらに押し付ける女性。

現れた。私の宿敵。

毎朝同じ台詞で差し出してくるのだが、この女性、私がコーヒー嫌いなことを知っているはず。
当然故意にやっている。こんなふうにいつもからかってくるのだ。
けれど、仕事の面では随分と世話になったことも多く、蔑ろにするのは気が引かれる。

「ありがとう。いただくよ。」

そう言って受けとって、ずずっと啜る。
苦い。苦すぎる。
子供の頃はコーヒーもビールも苦くて飲めたものではなかったのに。
なんでコーヒーだけは変化が感じられないのだ。

それでも、朝からコーヒー片手に仕事する姿が渋くてカッコイイなどという評判を、最近偶然にも耳にしてしまったものだから、止めるに止められない。

随分と器の小さい人間。それは自分で理解している。


コーヒーの残量が半分をきったころ、大量の書類が机の上に置かれた。

「・・・昼までに。全部。」

低く短く言って、去っていこうとする男性の目の下は黒ずんでいた。

ふらり。ふらり。

縦にも横にも大きな男性の身体が、今にも倒れそうなほどに傾いている。

「おい、星野。疲れているんじゃないか。
 これ持っていけ。」

言うと同時に栄養ドリンクを投げ渡してやる。
両手で大事に受け取る星野。

「・・・ありがとうございます。室長。」

お礼の最後には大きな欠伸を見せ付けて、星野は去っていった。

あいつは、昨日の星担当だったか。
キツイ仕事の上に、台無しになってしまったら、あんなふうにもなるか。

少し同情して、自分の仕事へと移る。

膨大な書類と格闘。
最初の仕事経過報告で、いきなりつまづいた。

雨が多すぎた。
六月の終わりから天崎が事故とか言って長期離脱して、青を上手く流せる人物がいなかった。
灰は比較的簡単に流せるものだから、どうしても頻度が偏ってしまっている。
流しの方の人材を少し考えてみなければならない。

それから三時間ほど処理を続け、やっと昼休みに入れるかというときに、最大の困難が待ち受けていた。

一枚の書類を手にしたまま、ぷるぷると震える私の横には、先程のコーヒーの女性。

「あら、雷の要請。
 そういえば全然落としていないですよね。」

わざと大きな声で言う。
くすくすとあちこちで笑いが起こる。

ある新人の女性は、なにが可笑しいのか分からない様子で、隣の先輩である女性に聞いた。

「ああ、室長は、奥さんと子供をあちらに置いてきてるのよ。」

「それがなにか関係あるんですか。」

新人が先を促す。

「室長のお子さん、五歳ですごく可愛いんだけど――あ、女の子ね。」

そこまで言うと、新人は理解したのかくすっと笑った。

恥ずかしい。やめてくれ。

もう必要ないと思っているようだが、先輩の女性は最後まで続ける。

「雷がすっごい苦手で、近くで落ちるとわんわん泣いちゃうのよ。
 奥さんもあまり平気でないみたいで、それが嫌で室長はあんまり雷落としたがらないのよ。」

そこまで言うと、くすくすとした笑いが、はははといったものに変わった。

「室長、可愛いですね。」

横のコーヒーの女性がぼそっと言う。

「流石に今年度いまだにゼロというのは問題になってしまったか。
 要請が直々にくるとは予想外だったな。」

平生を装いながら、誰に聞かせるわけでもなく言った。

「それでは早速決めましょう。」

非情にもこれ以上は滞納できないようだ。
観念して、机の中からさいころを取り出す。
私の方法は昔から決まっていた。

「さいころは駄目です、室長。」

急にそんなことを言われて、びくっとする。

「な、なんでだい。今までこれでやっていたじゃないか。」

「細工をしているでしょう。落とすところを操作していては、本当に問題になってしまいますよ。」

痛いところをつかれて、反論できない。
家族の住む地域には極力落ちないよう、影で行ってきた努力はばれていたのか。

「これからはこちらで。」

そう言って、地図が描かれた丸いボードをどこからか持ってきた。

どこかで見たことがあるような気がした。

「これを私にどうしろと。」

地図を眺めたまま立ち尽くしていると、コーヒーの女性がなにかを私に握らせた。
ダーツの矢。
そこで私はこれらを何処で見たのか思い出す。

「そのダーツの矢をこの地図目がけて投げてもらって、当たったところに――」

「あぁ、最後まで言わなくてもわかってるよ。だけど、どこでこんなことを知ったんだ。
 あちらに行く者なんて私くらいだろうに。」

コーヒーの女性は私のかばんの中をがさがさと探し、何かを取り出した。
ビデオテープ。そうか、夜勤用に録画したものを持ち込んでいたんだっけ。

「あちらのものなどコーヒー以外は俗物だと言って毛嫌いしていた君が、まさかこっそり鑑賞するとは。」

「正直中々面白かったです。テレビ関連なら仲良くお喋りができるかと。」

にやりと笑みをうかべた彼女が、地図の的を私から少し離れたところへセットする。
しかし、この方法では、細工したさいころよりも一定の地域を回避するのが容易だ。
私は、列島の左上、海の中へと狙いを定める。

ここなら手元が狂っても、余程のことがない限り陸地には落ちない。

なんだか勝ち誇った気分になって、矢を投げる体勢を作る。
そこで急に、コーヒーの女性が的に手をかける。
不思議に思った瞬間、的が回り始めた。

あまりに予想外な動きに、パニックに陥る。
狙いを定めた部分がぐるぐると回り、目が回って気分が悪くなる。

おまけに周りはなにやら掛け声まで始めた。
これは。これは。

彼女はこちらを見て、ふっと笑った。

「的を回すのは、違う番組じゃないか!」

訳のわからない叫びと共に、私は矢を放った。
独特の放物線を描いた先で、雷が落ちる。

それは場所が決定してからしばらく後に行われるのだが、私の娘がその日大泣きしたのは、私の所為ではない。断じて。



な、なんなんだこれはぁ!怒
という感じでしょうか。ごめんなさい。笑

明らかに前半と後半のテンションが違う。
というか書こうとしていたのと全然違う。
元々は主人公がいろいろと手を回して、下界の子供を喜ばせてあげるようなありがちなほのぼの物語りにしようと思ったのに。
某番組の日本地図ダーツと、某番組の景品当て(車あり)ダーツがごちゃ混ぜになったところを何故か妄想して気がついたらこんなふうに・・・

最後の台詞でほんの少しでも笑ってもらえなかったらこの作品の価値はなんなのだろう。笑
久しぶりに壊れて書きました。
やっと載せた小説がこんなんで本当にごめんなさいですっ笑
でも書きなれないコメディ?に挑戦して自分は楽しかったです。満足。

FILE3の執筆に戻りますー 掲載はいつになるか分かりませんが。
でわでわ。

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2009/09/01 (Tue) 【FILE2】佐久間都の場合

さて、なんとか自分で定めた締め切りに間に合わせました。FILE2です。
甲村編よりかは大分短いと思いますので、さらっと読んでいただければ。
それではどうぞー。



【FILE2】 佐久間都の場合 ~ふぁいるに さくまみやこのばあい~

佐久間都は泣いていた。
その年齢には少し不似合いな、可愛らしいプリントがされたクッションの上で体を小さくして、泣いていた。

狭いアパートの一室で、佐久間はずっと夫の帰りを待っていた。
目の前のテーブルには、いつもの倍はあるのではないかという量で、色とりどりの料理が並べられている。
佐久間にとって、今日は重要な日であった。

けれど、時計の針は無情にもその身を動かし続け、佐久間の望みが叶う前に、その身を十二の位置で重ねた。

今日が、終わった。


佐久間はひたすらに涙を流し続けた。

しんとした空間に、嗚咽だけが不気味に反響する。

佐久間は、悲しむことよりも涙を流すことを優先していた。

一般で言えば、『悲しむ』ことと『涙を流す』ことは同じ立場にして、連鎖的な意味合いを持つものであろう。
だが、佐久間にとってはそれは別々なもので、『涙を流す』ことは佐久間にとっての一つの手段なのである。


佐久間は心の内で夫を呪いながら、真っ赤に腫らした目を見て、夫がどういう反応をするのかを想像した。

そこで少しだけでもうろたえて、私の身を頭のどこかで案じてくれれば、いくらかこの心は晴れるのだけど。

涙をぼろぼろと流しながら、佐久間はふふふと笑みを作る。
歪んでいる。
そんなことは、佐久間は自身で理解していた。


佐久間の日課は、どうすれば夫から再び愛情を注がれるのかを思案することであった。

佐久間の夫は、仕事に没頭する毎日を送っていて、妻の存在を忘れているのではないかという程だった。
佐久間が毎日要求されるのは一般の家事のみで、『夫婦』と呼べる関係はそこに成り立っていなかった。

二人の間に、喧嘩は全く起きなかった。
佐久間は、ここで暮らし始めたあの頃の夫に戻るまで、ひたすらに献身的に努めようと心に決めていた。
一言も文句を漏らさず、機械のように同じ行動を毎日続けて、何年も過ごした。

けれど。
その間に積もり積もった暗いものは、佐久間の心のずっと深くまで仕舞い込まれて、いつしか献身的な愛を捻じ曲げるに至った。



これは、ゲームなのだ。



佐久間は、毎日そんな風に考える。
どうすれば、あの夫から愛情を手に入れることが出来るのか。
再び自分へと注がれる愛情を感じ取ることが出来れば『勝ち』。
そうでなければ、毎日、毎日、『負け』がこの心に刻み続けられる。

さっきまで続いていた昨日も負けた。
『結婚記念日』という特別な状況下でのゲームにおいて、佐久間は非常に有利な立場であったはずだった。

ぎっぎ。ぎりり。
歯を食いしばって音を立てる。

普通でない思考に陥りながらも、彼女の知りえない所で、確かに悲しみが胸を締め上げているというのに、『負けた』悔しさからだけでその歯音は鳴いていた。




それからも、全く同じ日常が過ぎ去って、佐久間の戦績はひたすらに『負け』を示し続けた。


どうすればいいのかしら。
私はこのゲームに『勝たなければ』いけないのに。

あまりに長い期間を歪んだ感情の元で過ごし、佐久間はさらにその闇を深くしていった。

漠然とした思いがぐるぐると頭の中を回り続け、その先で欲していたものは何であったのか、忘れてしまっていた。
その代わりに、佐久間の中で『ゲームなのだ』という感覚が増していって、それは幻を造り上げていく。


ぶーぶーと、自分を批難する声が、佐久間には聞こえた。

「そうだわ。昨日は久しぶりに夫が早く帰ってきたものだから、私の方の勝率が少し上がっていたんだ。」

ぴらぴらと手帖をめくる。
『八月十三日』という枠の中に、

私 三十二 倍    改め、  私 二十七 倍
夫 一・四 倍    改め、  夫 二・六 倍

と書かれていた。


あの倍率なら少しは望みがあったのに。
またあっちの勝ちかよ。つまらない。
やっぱり堅実に当てていくほうがいいな。


がやがやと、佐久間の頭の中を幻聴が駆け巡る。
はっと気がつくと、沢山の人が佐久間を取り囲んでいた。
もう何度も経験している感覚。


ある人は喜びと共にその身を躍らせ、ある人は口汚く佐久間を罵って、何枚もの紙切れを空へと放った。
渦巻く歓声と罵声。紙の舞う空間。
佐久間は行ったことはなかったが、それを所謂『賭け事』の類が行われる場に近いものだと思った。

佐久間はそれにひどく怯えた。

「明日こそは必ず。」

と、何度も声に上げながら、震える手でスタンプを取り出して、手帖に押し付けた。

くっきりと、綺麗に映える青。

それが示すものこそ、佐久間の『負け』だった。
 

――――。


佐久間は朝の家事を終え、当然の流れのように手帖を開く。
ぴらぴらぴら。
今日、『十月二十三日』。
レートは相変わらずの偏りを保ったままであった。
佐久間はペンを取り出し、一週間先の分まで、自分でレートを記していく。

ふふふと笑いながら、一人であるはずもない予定を書き込んでいるようで、周りから見れば不気味な光景。

佐久間は、日ごとにレートを変化させていく。
それはやがて佐久間と夫との間の偏りを無くしていく。
まるで二人の間に立ちはだかった壁が崩れていくようなその変化は、ピークを迎えるであろう週末で止まった。

『十月三十日』。そこにはレートは書き込まれず、代わりに『休止』と『私の誕生日』という文字が書かれていた。

佐久間は、この日の『ゲーム』は成り立たないと考えていた。
佐久間の夫は、結婚以前から、佐久間都の誕生日には必ず花束を買って還ってきたからである。

それは毎年、愛情を感じなくなった近年でも欠かさず続いていて、途切れることは無かった。
けれど、それはあくまで儀式のようなもので、夫自身が止めるに止められなかった、自らへの戒めのようだった。

佐久間は去年の誕生日を思い出す。

その日の佐久間都は珍しく、澄み切った笑顔を表へ出して過ごしていた。
しかし、だんだんと陽が陰り沈んでいくのと同じように、彼女の表情は曇っていく。
並べられた大量の料理を前に泣き出そうとしたとき、がちゃりと扉の開く音がした。

ぱあっと顔を明るくした佐久間の元に、無造作に投げ込まれた花束。
固まる笑顔。
送られたそれは上品な香りこそ醸し出しているものの、肝心の夫は一言も告げずに洗面所へと去っていった。

ふるふるとその体を細かく揺らす佐久間。
普通ならば、わあっと泣き出す所かもしれないが、佐久間は小さな笑みを浮かべていた。
佐久間は寂しく思いながらも、自分の誕生日こそが夫との最後の繋がりのような気がして、妙な嬉しさを感じていたのだった。




歪んでいる。
佐久間自身も、夫との関係も。
だが、そんな歪みの中で、誕生日に花束という『儀式』が継続する限り夫と離れることはないという確信を持って、佐久間は一週間を過ごした。




そうして向かえた佐久間都の誕生日当日。
今年も佐久間の顔は澄み切っていた。
今日は例の幻覚は襲ってこない。罵られることもないのだ。
思えば、レートを記し始めてから、誕生日を迎えたのは今年が初めてだ。
夜までいつものように過ごして、夫が還ってきたら、ただ『儀式』を受けてあげよう。
私と夫は、そうして続いていくのだ。


どうせまたこれを一人で食べきれずに捨ててしまうのだろうと思いながら、佐久間は料理を作り上げていく。
夜と呼べる時間帯に入り始め、佐久間はいつになくどきどきと鼓動を早めてしまう。

佐久間はクッションの上へと身を落とし、ひたすらに夫の還りを待つ。

今年はどんな花だろうか。
確か一昨年のものが一番大きかったけれど、今年はどうかしら。
あの人はお金は沢山あるからと、この日は全く惜しまないのよね―――。

ちく、たく、ちく、たく、ちく、たく。

部屋に置いてある唯一つの時計が、その身を忙しなく動かす。

あれ、どうしてだろう。
いつの間にか、こんな時間に。

針と針は身を寄せ合いながら、徐々に頂へと至ろうとしている。



・・・え?



嘘。嘘よ。
だって、今日は、私の、誕生日。
もう何回と続けてきたか分からないほど、当たり前な日なのに。

嘘。嘘。嘘!

佐久間はざっと立ち上がって時計を両手で掴む。
安い素材で造られたそれは、容赦なく加わる握圧により軋み、不快な音をあげる。

待って!待ってよ!!

まだ、『今日』は、終わらないで。


――――。



佐久間はぼうっとしていた。
両の手の中で、痛みを訴えながらも働き続ける時計は、四時半を示している。
もうすぐ朝が始まる。

少し早起き過ぎた小鳥などが意味もなく鳴いている。
それをどこかずっと遠くに聞きながら、佐久間は同じ姿勢のまま、定まらない焦点で時計の針を見つめていた。

佐久間の中で、今まで支えてきた芯のようなものが、ぽきりと折れてしまった。

ずっと寂しかった。
ずっと悲しかった。
ずっと、ずっと、かつての夫が還ってくるのを、待っていた。

『ゲームなのだ』という幻覚を造って奥へと塞ぎ込むなんて、歪な守り方だったけれど。
佐久間は心の底で、ずっと夫の愛情を待ち望んでいた。

押し潰されそうなほどの孤独の中、一年に一度だけ来る希望の日。
それは『儀式』のようなものだと解釈したけれど、やはり贈り物からは微かな愛情を感じ取ることが出来て。

強がってはいたけれど、自分がそれをどれだけ支えにしてきたのか。

今になってようやく気付いた佐久間は、そこまで考えが至ると、その支えさえも失ってしまった事実を再認識してしまう。
ぱたりとそのまま横へと倒れ、重力に引き寄せられるまま、床に体を任せる。

ぼろりと涙が出てきた。
虚しく反響する嗚咽。
佐久間は何年ぶりかの、本当の涙を流した。


うっぐ、えぐ。
途切れることなく流れ出る涙で、頭に添えられたクッションはぐしゃぐしゃになっていく。

「これから私は、どうすればいいのだろう。」

ぼそりと、時計に話しかけるように言った。

「取り戻せばいいのですよ。」

佐久間は、はっとした。
この部屋には、自分しかいないはずなのに。
いつもの幻覚だろうかと思いながら、ゆっくり身を起こすと、すぐ目の前に人が浮かんでいた。

真っ黒なスーツをぴしゃりと纏っていて、清潔さと共に妖しい雰囲気が漂う。
頭に被らせているハットのふもとは、不自然なくらいに影が濃くなっていて、目元が見えなかった。

いつも私を罵る人たちではない。

佐久間は、それが自分を取り囲んでいた幻覚とは全く別な存在であることを感じ取っていた。

「あなたは夫を取り戻したいのでしょう?ならば、そのようにすればいいのです。」

性別の判断をつけにくい、音の高低の間をゆらめくような声は、佐久間の鼓膜を妖しく刺激する。

「取り戻すって・・・。どうやって?」

佐久間はその存在に惹きつけられるように立ち上がり、話の先を求めた。
立ち上がったことで顔との距離は多少縮まったものの、相変わらず不自然に翳っていて、口元だけで表情を表している。

ふふふと、艶やかな唇の端を曲げて、それは言う。

「憂いるあなたに、ささやかなプレゼントを。」

ふわりと舞うように手を広げたと思うと、佐久間の両手に握られていたはずの時計が、洒落た箱に変わっていた。

佐久間はなにも驚かなかった。
目の前に浮かぶ存在を疑いもしなかったし、受け取ったその箱を当然のことのように開け始める。

佐久間は、こういった非現実的な力でないと、自分を救うことはできないと思っていた。
今までは自分自身を『ゲーム』という殻で守ってきたけれど、今は予期せぬ外部からの力が働いている。
変わるなら今しかないと、佐久間は躊躇い無くその箱を開けた。


ひっそりと静かに、しかし威圧するように、箱の中に横たわる銃。

どくんと大きく胸を打つ音を、佐久間は確かに聞いた。
このまま人外な力による解放を想像していた佐久間は、あまりにリアルなその黒を見て、じわりと額に汗を滲ませる。

ぞわぞわと、体中の肌が波打つように逆立つ。
急に可笑しくなってきて、意味もなく佐久間はふふふと笑う。


確かに、これであの人を撃てばずっと一緒にいられるかもね。


頭を一瞬かすめた光景に、佐久間は少し怯えて、また笑う。

同じように口元を歪ませていた送り主は、するすると佐久間の下へ降りてくる。
ちょうど同じ地に足をつけたことによって、佐久間よりずっと高い背丈が際立つ。

「それはですね。普通の銃ではないのですよ。
 全てを壊すことのできる銃。
 モノだって。人だって。なーんでも。」

両手をぐわあっと広げて、得意気に話す送り主。

にやにやと浮かべていた笑いを一旦止めると、佐久間は問い返した。

「なんでも?なんでも壊せるの?
 だったら。だったら、あの人を変えてしまったものを壊してしまえば―――。」

そこまで口にしたとき。
目の前で影のようなものがゆらめいたと思ったら、あの送り主はいつの間にか佐久間の後ろへと回り込んでいた。

ふわりと二つの掌を佐久間の両肩へと乗せて、顔を耳元へ近づけて話す。

「そう。あなたは邪魔なものを壊して、愛しい夫を取り戻すことができる。
 けれど、一つだけ留意しておいてもらいたいことが。
 その銃を使うことができるのは、たった一度だけ。
 それだけは気をつけて。」

大人しく聞いていた佐久間が、こくりと子供のように頷くと、送り主はくしゃくしゃと頭を撫でる。
その後、肩から腕の方へと両手を這わせながら移動させていき、手の甲まで達する。
優しく手を添えられ、導かれるように佐久間は銃を握った。

先程よりもさらに耳に近い距離で、送り主はささやく。

「壊してしまいたくてたまらないものを、頭の中いっぱいに浮かべれば、その想いは弾丸となります。
 そうすれば後は簡単。こうして、引き金を引く、だけ。」

鼓膜を震わす振動と共に、吐息が耳に触れるのを感じて、その声は佐久間の脳髄まで麻薬のように広がる。


人差し指だけ佐久間の手から離して、送り主は一気に引き金を引く。
かしんという短い音が間抜けに鳴った。
佐久間の掌は汗で濡れていたが、その表情は恍惚そのものであった。

そこまでしてから送り主はゆっくりと体を離し、もう一度佐久間の頭を撫でる。

「それでは、期待していますよ。」

最後にそう言ったかと思うと、佐久間が振り向いた先にもうその存在はなかった。
佐久間は少しだけ残念そうな目をした後、自分の手に握られたものを見つめる。

さっき言っていたことが、本当なら。

ざざっと、佐久間の頭の中で、今までの灰色の毎日が映し出される。
それをだんだんと巻き戻していく。

あの人が、変わった理由。

それは、一つしかない。
仕事。とり憑かれたように没頭し始めた、あの仕事が全ての元凶なんだ。
あんなもの、いらない。
あれが無ければ、いつだってあの人はこの部屋で、私の傍に居てくれる。

標的が定まる。

もう一度佐久間がぎりっと銃を握りなおすと、かちゃりと渇いた音がした。

弾が、込められたんだ。

佐久間は、無意識にそれを理解する。
いよいよ後は引き金を引くだけとなったとき、突然戸棚の上の写真立が、佐久間の前に落ちた。

ずっと昔の笑顔が、佐久間の視界の中心に映る。
ガラスで守られていたその写真は、なにも色褪せることを知らず、佐久間へとなにか訴えているようにも見えた。

「何、何よ。いまさら・・・・。」

ただの写真。
しかし、佐久間はそれから目を離すことができない。
優しすぎる想い出が、果てしなく頭の中で反響し続ける。

二つの感情の間で押し潰されそうになったとき、昇り始めた陽の光が、偶然カーテンの隙間から入り込んできた。
それは、佐久間の横を通り抜けて、写真の中の夫を照らした。

その瞬間、佐久間の頭の中のなにかがぷつんと切れた。

「結婚前から、子供は三人欲しいよねとかさ・・・。
 いつか家を建ててずっと一緒に過ごそうとかさ・・・!!
 あんなに、楽しく毎日を過ごしていたのに!!
 あんなに、愛おしく想いあっていたのに!!
 あなたが、あなたがっっ・・・・!!!」

せき止めていた感情が制御を失って、そのまま言葉として発せられる。
喉よりも、腹よりも、もっと深く、深く。
ずっと閉じ込めていた心の底から、佐久間は泣きながら叫んだ。


ぶるぶると痙攣する手を無理矢理に重ねて、銃の照準を、写真へとまっすぐに固定する。
体中から吹き出る汗が、零れ出る涙と混ざって、雨のように床へと落ちた。


大好きだから。
還ってきて、欲しいから。
佐久間は、引き金を、引いた。


がんっと大きな反動を受けて、佐久間は尻餅をつく。
確かに弾丸は放たれたはずなのに、どこも壊れている様子はない。
しかし、両腕に残る痛みは、確かに撃ったのだと、佐久間に認識させる。

尻餅をついた態勢のままぼうっとしていると、手の中にある銃が突然熱を帯び始めた。
気付いたときには黒に赤みが差していて、溶けていくように見えた。
佐久間は熱さに耐え切れなくなり、銃を放り投げる。
銃は床へと空しい音を立ててその身を落ち着けると、その場でさらさらと砂のように崩れていった。



――――。


それからの数時間、佐久間はそわそわと過ごした。
夫からはなにも連絡が無く、いつもと同じ一日が過ぎ去っているように感じられた。

誕生日の翌日の夜。
久しぶりにぎいと鳴いた扉の向こうから、夫が姿を現した。

しかし、その顔はとても人のものとは思えないほどに弱りきっていた。
仕事を、失ったのだろう。

不景気だとか、そんなこちらの事情とは関係なく。
人外の力によって、有無を言わさずに。

それでも、佐久間はぱあっと顔を明るくして、扉の前で立ち尽くす夫へと近づいていく。

佐久間の姿を認めているかどうか怪しいくらいに虚ろな目をしている夫。
その頬へと手を添えて、佐久間はそっとキスをした。

「大丈夫、私がいるから。
 二人でいっしょなら、どんな生活でもいいから。」

そう明るく言って、体を引き寄せて抱きしめる。
そこで、佐久間は、気付いた。

夫の肩へと頭を乗せて、ぎゅっと抱きしめた向こう側に。
後ろ手で隠すように持たれていた、大きな花束。

「・・・・・・ごめ、ん。」

夫がやっと口にした言葉。
佐久間がその意味を知る頃には、夫は力なくその場で座り込んでいて、声をあげて泣いていた。

佐久間は、自分の中の様々なものが、悲鳴をあげながら崩れていくのを感じた。

真っ黒な罪の意識だけが、佐久間の頭の中をどろりと支配して、夫と同じように、座り込んで泣いた。

その内容は違うのだけれど、二人の懺悔のように泣き声は響き続けたのだった。



       ◆


あの日以来、夫は人が変わったように優しくなった。
いや、実際は元に戻ったという表現のほうが正しいのだけれど。
全てを失ったというのに、彼は立ち直った。
新しい仕事を見出して、あの頃と同じくらいに働いているけれど、私のことを第一に考えてくれている。

「そんなに働いたら、身体をこわすわよ。」

私は、微笑みながら言う。

「お前の、ためだからな。」

同じように微笑みながら、彼は返してくる。

あれから、かつての幻覚のようなものは見なくなった。
けれど、今は彼の優しさが、毎日のように私の心を貫く。
それは、とても痛いのだ。

私を罵るのではなく、咎める声が、すぐ傍まで迫ってきていることに、私は薄々感付いていた。
それでも、今度こそは正面から向き合っていける。

いつか心の底から笑えるようになったら。
謝ってから、贈ろう。

見たこともないほど豪華な料理も添えて。
大きな大きな、花束を。


【FILE2】 佐久間都の場合 ~ふぁいるに さくまみやこのばあい~


読んでいただいた方、つまらんと飛ばした方も、ありがとうございます!
行間無駄に使いすぎだよってツッコミはなしで。笑
今回はFILE1とは逆に予定よりさらに短くした感じです。
元々「愛情ゲーム」みたいなタイトルで別物のアイディアだったのですが、これで一作品として書くのは黒目にとってハードルが高すぎたので。
取り入れながら展開してみましたが、やはり難しかったです。

かなり読みにくいものになってしまいましたが、お蔵入りになるようなものをちゃんと書けた気がしてこちらは気分が良いです。笑
何か感想があればコメントに残していただけると嬉しく思います。

次は、ずっと書きたかったFILE3!!
量は少し多目になると思われます。
来週末までには、載せれる・・・と思います。


【次回キーワード】
憧れる 園田妹 あのお方はまだ自粛 

次は、【FILE3】園田愛理の場合① です。お楽しみにっ


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リンク貼り予定。

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